12月4日に実業之日本社より創刊した文芸誌「紡(つむぐ)」を読んでみました。
最近女性向けの、ちょっと気軽に手にとれる文芸誌が増えてきています。恋愛小説を集めた「Feel Love」、そして「紡」と同時期、今月6日に女性誌の姉妹誌として創刊された「GINGER L」。
「Feel Love」「GINGER.L」ははっきりと女性に的をしぼっていて目次をみても恋愛色が強い感じ、「紡」も女性向けとうたってはいますが、テーマは恋愛というよりは、なにかを頑張る、一歩踏み出す、ようなすっと前を向いていく女の子の物語がメインになっています。
サブカルでもなく、文壇的な堅苦しさもなく、恋愛小説に偏らず、若手作家を中心したラインナップは、今までありそうでなかったような気が。

そして読んでみた感想。
どれも外れなく面白かったです。メインの伊坂幸太郎と宮下奈都の短編は他の単行本とリンクした物語なのでそちらが読みたくなってしまったし、坂井希久子の連作短編は続きが気になる。碧野圭の「銀盤のトレース」は雑誌掲載とは思えないボリュームの長編でしたが、夢中で最後まで読みました。
掲載点数は他の雑誌に比べると少なめな気もしますが、それが逆にちょうど良く、すみからすみまで楽しめたように思います。
最近は単行本でいろんな作家さんの短編を集めたアンソロジーがよくでますが、雑誌だとお値段的にも敷居が低く知らない作家さんに出会える。そして若い作家さんが本を出版する以前の活躍や鍛錬の場が増えるのは、読み手にとっても幸せなことのはず。
次は来年2011年4月5日、年に三回の発行予定とのこと。季刊でもないのんびりペースも良い感じ。
次号を楽しみに待ちます!

文芸誌「紡」創刊号が面白い。

2010年12月26日 21:39.
投稿者:マキ
カテゴリー:よむよむ
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