あけましておめでとうございます。
昨年は更新もぴたっととまったまま終わってしまいましたが、今年は!(今年こそ!)まめに書いていきたいなあと思っています。ちょっと新しいこともやりたいなあという気持ちもあり…頑張りたいです…。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年も懲りずに甥っ子たちへのお年玉に本をそえて、プレゼントしました。
読んだ感想は強いて聞いたりしてないのですが、読んではくれているみたい。

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怪物はささやく

大切な人の死は、後悔をつれてくる。

じぶんの、もう短いとは言えなくなってきた時間の積み重ねのなかの実感だ。
突然の別れでも、じわじわと予感させる別れでも。
取り返しのつかないこと。もっとできたはずのこと。そんな気持ちが喪失の悲しみの影に隠れてやってくる。
それが自分の未熟さのためか、不誠実さからだと思えばまた、それは心に沈む重いかたまりになって消えぬままだ。

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いま、月に一度、会社仲間の集まりで文庫の交換会をやっています。
ルールはかんたん、それぞれがおすすめの文庫を一冊もってきて、みんなにプレゼン。
そして欲しくなったものをそれぞれ一冊もらいます。
誰が何をもらうかは、じゃんけんで勝った人から選んだり、くじ引きしてみたり、その場に合わせたやり方で。
個人的には6〜8人くらいでやるのがちょうどいいかな、と思います。
こういうことを居酒屋なんかでお酒を飲みながらやるのは、なかなかの面白さなのです。

これまで自分が素通りしてきた本に出会える面白さはもちろんなんだけど、
意外な人が意外な本を熱心に語ってくれたり、私もこれが好き〜!なんて好みの一致の発見があったり。
古い本を思い出してまた読みたくなったりもします。
そして物理的に距離の近い仲間内でやると、結局もらえなかった本も回し読みできてしまう楽しさも。

本がすっごく好きな人も、わりと好きな人もたまには読みたいなーくらいの人も、楽しめちゃうんじゃないかと思います。
身近な仲間のあつまりで、是非ためしてみてくださいな。

木村衣有子さんの文章


木村衣有子さん。
好きなんだな。この人の文章。

はじめて読んだのは「味見はるあき」という個人出版社の本。
食べることについて綴られた文章がしっくりきて、そこでお名前を覚えました。

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「七夜物語」

川上弘美さんの初の児童文学、しかも酒井駒子さん挿絵ということで、もう発売前から楽しみにしていました。
小学4年生の主人公が図書館でであった「七夜物語」という本をきっかけに不思議な世界に飛び込んでしまうという、そのなんとも王道冒険ファンタジーなあらすじも、もう楽しみで楽しみで!

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きみはいい子
読む前から少し、身構えていました。
「虐待」をテーマにした物語であるということ。

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憂鬱な雨の日には。「ねんどろん」荒井良二

雨の日は、気持ちが沈むので

魔法の本を開いてみました。


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「クローズド・ノート」

本と出会う瞬間て、ほんとにいつあるかわからない。
この「クローズド・ノート」、過去に映画化もされ、話題にもなり当時とてもよく売れた本。
でもそのころはまったく心惹かれず、遠巻きに見ていたのです。

たまたま最近、この作家さんの別の本をおすすめされて読む機会があって、それが面白かったのでふと本屋さんでこの本を手にとって見たのです。そうしたらたまたま開いたページに私が最近買ってわくわく愛用中の万年筆の名前が出てきて。少し読むと、主人公の女の子が文房具屋でアルバイトをしていて、この万年筆は書き味がどう字の太さはどう、なんてやりとりが。それだけでとりあえず買おうと決めました。
この本を知った頃は今みたいに万年筆に興味がなかったし、今のタイミングだからこその出会い。

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笑い三年、泣き三月。

この物語の良さをどう表したらいいのかのと、好きになりすぎて寝かすことしばらく。
すっごくすっごく良かったのです。
この目立ちはしないけれど味わいのある装丁のように、
筆力の確かさによる匂い立つような生活の空気や登場人物の確かに生きてる感じ。
地味だけど、滋味。上手くて深い味わいがあって、栄養のあるスープみたいに身体に残るのです。

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紙の月

昔、角田光代は苦手な作家でした。
女性の心理描写に優れているのは前からですが、昔はそこが肌に合わなくて、おんなおんなしたお話を書く人…という自分の苦手カテゴリーに放り込んでいたのです。
(その当時の同じ苦手カテゴリーに入っていた他の作家というと、唯川恵や山本文緒。江國香織も片足くらい)


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